オーボエにはセミオートマチックとフルオートマチックの2種類のキーシステムがあるのですが、この違いについて取り上げたことがなかったかも?と思い、今更ながらご説明したいと思います。

セミオートとフルオートの違い

見た目での違いは、セミオートにある第2オクターブキーが、フルオートの楽器にはありません。

セミオートで第2オクターブキーを使用するのは、高いラ、シ♭(ラ♯)、シ、ドですが、本来第2オクターブキーを押すと開くトーンホールが、フルオートの場合だと第1オクターブキーで補えます。

そのため、フルオートだと音域によるオクターブキーの切り替えがなく、スムーズに広範囲を演奏できることになります。

また、そのシステムのためにキーの金属部分が増えるので、響きが増すとおっしゃる方もいます。

それがフルオートのメリットと言えますね。

フルオートのデメリット

先ほどのざっくりした説明だと、フルオートの方が良い!となると思いますが、フルオートにはデメリットも存在します。

まず、セミオートに比べて価格が高いこと。

同じモデルのセミオートとフルオートでは、機種によりますが10万ほど価格が変わることもあります。

それから、キーシステムが複雑なこと。

先ほども説明した通り、第1オクターブだけで別のトーンホールが開くように、キーシステムが複雑化しています。そのため調整も難しくなりますし、楽器も重くなります。

そして、機体数が圧倒的に少ないこと。

昔はフルオートを使ってらっしゃる方も多かったのですが、今はセミオートが主流ですので、市場で出回る数も圧倒的にセミオートの方が多いため、フルオートだと楽器を選ぶことが難しくなります。

フルオートをずっと使ってらっしゃった方でも、最近になってセミオートに変えた、という方もいらっしゃいます。

おすすめはセミオート

そんなこんなで、私はこれからオーボエを始めよう、という方にはフルオートよりはセミオートをおすすめします。

しかし、楽器との出会いは運命なので、出会った楽器がたまたまフルオートだった、ということもあるかもしれませんね。

部活でオーボエを始める方で、学校にある楽器がフルオートだった、という方もよくいらっしゃいます。

いろんな要素を天秤にかけて、ご自身に合った楽器を探してみてくださいね!