皆さんは普段、基礎練をしていますか?そして基礎練は好きでしょうか?
これまでに担当させていただいた生徒様のなかで、ロングトーンが大好きです!という方もいらっしゃったのですが、あまり基礎練は好きではない…という方は少なくないのではないかと思います。
かくいう私もずーっと基礎練が好きではありませんでした。
なぜただ長く音を伸ばさないといけないのか(ロングトーン)、タンギングの練習をしてもできなさすぎて嫌になってしまう…と基礎練を前にすると、楽器を吹くのが少し憂鬱に…
それよりも曲の練習をしたい!と、基礎練そっちのけで曲の楽譜を広げてしまって…
しかし、今思うのは、基礎練は基礎技術向上のためではなく、日々のセルフチェックにもなるので、ぜひやるべきだということです。
まずは、意味を考えながらやる
ロングトーンで長く音が伸ばせるようになったり、タンギングが早くできるようになるには、やはり基礎練は大事です。
しかし、ただ漠然と単音を伸ばすのではなく、息のスピードやアンブシュア、発音などチェックする項目はたくさんあります。
頭を使わずに基礎練をするのは、何もしていないのとほぼ同じです。
やるからには、その基礎練メニューの意味を考えながら取り組むようにしてください。
セルフチェックで基礎練
そして、ここからが今回の本題。
ただ技術向上のために基礎練をするのではなく、ある程度楽器が吹けるようになってきたら、その日のコンディションをチェックするために基礎練をしてみましょう。
オーボエを吹くには、大きく3つのチェック項目があります。それは、
- 楽器
- リード
- 自分自身
以上の3つです。
ロングトーンをしてみて、いつもより発音がしづらい場合は、下手になったのではなく、いつもと何かが違うはずです。
リードを変えたために良くない(合っていない)リードを吹いてしまっているかもしれません。
いつもより支えがちゃんと作れていなかったり、舌の使い方が違っているかもしれません。
楽器の調整が狂ってしまって、鳴りにくい状態になってしまっているかもしれません。
以上の項目(もっと疑うべきことはたくさんありますが!)をチェックするために基礎練をするのです。
”できないからダメ”なのではなく、”できないのには何か原因がある”と思って基礎練に取り組むと、基礎練の意義や取り組む姿勢が変わってくるはずです。
基礎練は日々のチェックシート
自分自身が常にいい状態で演奏できるように、基礎練は日々のチェックシートにしましょう。
ロングトーンで発音から音のおしりまで綺麗に演奏できる→リードの状態や楽器の状態OK
音階練習で指が転ばず、いい音程、テンポで演奏できる→指がしっかりと動いて、音程がとれるリード
・・・
などなど、個人でチェック項目を作り、それらがクリアできていれば、曲を演奏しても問題ない!という指標にすると良いですね。
私は最近生徒さんにお伝えしていますが、「基礎練では一番難しいことをしましょう」です。
低音の発音は嫌ですが、pで最低音のシ♭を発音できれば曲で出てきても大丈夫ですよね。
早いタンギングの練習をしておけば、曲で出てきても怖くありません。
というふうに、できるだけ個人的に難しいことを取り入れて、できないことに苦しむのではなく、できるようにコンディションを整えていく、という考えのもと基礎練をしてみてください。
ある程度楽器が吹けるようになってからのお話かもしれませんが、とても大事なことだと思っています。
毎日の基礎練が、とても充実したものになりますように!